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フィリピンパブとKEE第二話「ジュンと私」小説 フィリピン人女性に狂いだす


フィリピン人のジュンとの出逢い

前回の話

こうしてフィリピンパブで働くようになった私には、当時日本人のガールフレンドのAがいた。私は彼女の反対を押し切ってフィリピンパブで働くこと形となってしまった。私がフィリピンパブで働き始めてやってきた、初めての週末。週末の金曜日、私がフロント(店頭)に立っていた時。私の横を香水とシャンプーの混じった香りを漂わせて、一人の女性が通っていった。初めて香りに私は思わず振り返ると、店の中へと彼女は消えていった。私は誰かわからず、不審に思い、彼女の後を着いて行くと、彼女は店のキャストだということがわかった。彼女の名はジュン。彼女は背が小さく、華奢な体系をしていたが、グラマーな女性であった。正直、私のタイプの女性だった。あの時の彼女の香水とシャンプーが混じった匂いは今でも忘れられない。さて、店内に戻った私は店のママに彼女の事を聞くと、週末だけに出勤する女の子ということがわかった。その数分後に店のドアが鳴った。お客さんのご来店である。ジュンはパパ!と叫びながらそのお客さんを自分の隣に呼んだ。ジュンの指名のお客さんとのこと。なるほど。その時の私のジュンに対する印象はタイプの女性であるという程度のものでしか無かった。まだ私はこの先に待ち構えている破滅を知る由もなかった。ジュンにパパと呼ばれた、そのお客さんは2時間程、お店で飲んでいった。ジュンは、濃密な距離でそのお客様との話を楽しんでいる。ジュンの紅潮した顔がかわいい。ジュンからドリンクのオーダーを頼まれた時に、一番遠い距離にいた私だが、まるで走るかのように彼女のもとに向かってしまった。またドアが鳴った。お客さんがまた一人来店。このお客さんも彼女の指名のお客さんだった。その後にもう一人、ジュンのお客さんが来て、その日彼女には、3卓の指名があった。営業が終わると、ジュンは飲みすぎたらしくドレスルームで眠りに落ちていた。そんな彼女に水を飲ませようと私はドレスルームに入り水を飲ませてあげた。この子はいつも酔いつぶれているのだろうか?と思っていた時、私は驚いた。 彼女が、酒臭い黄色の液体を口から出していた。吐いていたのだ。これがジュンとの初めての出会いになる。

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連絡先の交換

そしたまた1週間が経った。彼女が出勤してくる時間帯に自動的にフロントに立ってしまう自分に私はまだ気づいていなかった。私は、彼女の香りを10m先の距離からでも感じられるようにもなっていった。10月の下旬。ハロウィンイベントが間近に控えていたので、私は近くのショッピングモールでハロウィングッズの買い物に来ていた。そこで偶然にもジュンとばったり出会ってしまった。少し気まずい雰囲気であいさつをした私にジュンが一言。「貴方のラインを教えて!?」なんと彼女にラインを聞かれてしまったのだ。きっと、天にも昇る様な気持ちとはこのような時を指すのであろう。これは、お店の従業員としては、決して許されない行為である。しかし私には抗う術はなかった。後ろめたくも、ジュンとラインを交換した私であるが、「ラインをしても返信が無かったらどうしよう?」などと思い、私からは全くラインができなかった。返事が無かったら怖い。そのような気持ちを抱く時点で私はジュンに恋をしていたのかもしれない。2,3日後、思いがけずにジュンの方からローマ字でラインがきた。「今何してるの?元気?」ずっと考えていた彼女からのメッセージが来た私は、恋の階段を昇っている自分に気づいてしまった。ジュンに会いたい。ジュンとの他愛もないラインをする中で、その気持ちは日増しに強くなっていった。ある日の事。いつもの様にジュンとのラインを楽しんでいる最中である。Aからラインが来た。一気に申し訳ない気持ちとジュンではない相手からメッセージが来たことへの失望感が私を襲う。「最近連絡ないね?どうしたの?」Aからは連絡が欲しいとのメッセージ自分の心は痛かった。とりあえず、仕事が忙しいなどと言い訳を送る。すぐにAからの長文で私の連絡がないことに対する怒りのラインが来た。彼女のラインには返信せずにそのまま通知をオフにする。そしてジュンへと手が勝手に動くかのようにメッセージを打っていくのだった。自分の節操のなさを責め立てる私がいるが、この気持ちはやはり抑えられない。毎日仕事終わってから、Aからのメッセージは返信せずに、ジュンとのラインでの会話を楽しんでいたのだ。片言の日本語、ローマ字でのジュンとのやり取りはとても素敵な時間であった。夜な夜なラインでのメッセージのやりとりとテレビ電話を楽しんでいた。

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密会

そしてある雨の日。週末の店は暇だった。いつもより2時間も早く仕事が終わった。そのときにジュンから一通のラインが来た。「早く終わったでしょ。今日一緒に飲みに行こう!」私の心は踊りに踊った。掃除を手早く片付けて速足で駅の方へと急いだ。彼女は、ほろ酔い加減で駅の近くの居酒屋の中で待っていた。まさにこれは密会だ。私は、お酒に酔う前から背徳的な気持ちに酔いしれていた。一杯目は生ビールを頼んで一息をつく。普段の様にジュンとの会話は弾みだし2杯、3杯とグラスを空にしていく。ふと気が付けば、居酒屋に滞在して2時間が経過していた。そろそろ帰らねばと思い、私たちは駅に向かって歩いていく。しかし、もう終電が無いのだ。どうするかなんて考えていたら、彼女からのまさかの一言が。「一緒に泊まろう。」この言葉を聞いて嬉しさが稲妻のように体を走った。線路沿いを歩くと、そこにはホテルがあった。私は手を引かれるかのようにホテルの中へ吸い込まれていった。まるでブラックホールへと吸い込まれるかのように。ホテルに入るとシャワーを彼女は浴びにいった。彼女が出てきた私もシャワーを浴びようとした時。「シャワーしなくていいよ。」そのまま私たちは体を重ねた。私は朝になるまで朽ち果てても満ち足りない欲望を全身に感じて彼女を抱いていた。この時はこの幸せが永遠に続くと思っていた。朝になりジュンと別れて、家へと急ぐ途中、Aから電話が鳴った。電話に出るなりAから罵声が浴びせられた。あまりのやましさでなんといったか覚えていないが、適当に嘘を並べて誤魔化した。しかし激しく怒っているAの怒りは収まらずに電話を切られてしまった。罪悪感と高揚が入り混じった不思議な気持ちを感じたのは覚えている。経験のしたことのない感情だった。もしAとジュンのどちらかを選ぶならば、私はジュンを選ぶだろう。思い返せば、Aとは付き合い始めた時から喧嘩が絶えず、嫉妬深く独占欲が人一倍強いAから喧嘩して手をあげられることもしばしばあった。私は心の中でAの行いを責め立ててジュンと体を重ねた事実をAのせいにした。自分の行いと感情を正当化したのだ。私はなんて酷い男なのだろうか。しかし私はAと別れることも辞さない気持ちだ。ただ、ジュンと一緒にいられればそれでいい。私は本気でそう思っていた。しかし、ジュンとはなぜか決まって週末にしか会えなかった。彼女が平日の昼間に別の仕事をしているためだ。

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フィリピーナへの嫉妬

週末に私たちは会って体を重ねる日が2、3週間続いた。しかし私は毎日会いたいという感情に駆られるようになっていった。その感情の高ぶりの中、彼女はまた金曜日になって店へ出勤してくる。そんないつかの週末の営業中、インカムでジュンの指名のお客さんが一人来店との知らせが届いた。私の心は苛立った。そのお客さんが来店して、ソファに座ると彼女は体を密着させた。ドリンクオーダーが入り、いつものようにそそくさとジュンの席へと向かった。しかし彼女は、私の目も見ないで無表情でオーダーの入った紙を渡した。お客さんとの会話を楽しむあまり、私の方に一切視線を向けない彼女に対する苛立ちは募る。そして、またインカムが鳴った。ジュンの指名でもう一人との知らせ。彼女は席を立って、そのもう一人のお客さんの待つ席へ座った。その席では、お客さんの右手は彼女の左足の上に置かれ、二人は手を握り合っていた。彼女は笑っていた。その姿を見た僕は激しい嫉妬に駆られていた。私は嫉妬を押し殺し定位置に戻った。そしてまたインカムが鳴った。私は彼女の指名が入らないことを祈ってしまった。この日の営業後、切なさが胸を激しく締め付けた。いつもなら、営業終わりに彼女が駅前で待っているのだが、私はライン一つしなかった。彼女からのメッセージが1通、2通、3通と届いていたが、私はそれを無視し続けた。そしてジュンから着信が来た。私は情けなくもなんとも言えない気持ちになりながらも彼女からの電話がでてしまった。そして、そのまま彼女のもとに走って向かった。「なんでラインを返さないの?ワタシ、待っているのに。」彼女は片言でそう言った。その時、抑えていた感情が爆発してしまった。「あの手はなんなんだ!?」「俺の横ではしたことのない、あの顔は何なんだ!?」彼女に対してあらゆる言葉を使って責め立てた。「仕事だからしょうがないでしょ。」彼女は英語交じりの言葉で私に伝えた。しかし私の気持ちは収まりがつかなかった。怒りに任せてその場で立ち去りたかったのだけれども、嫉妬に狂った私は彼女の手を強引に引きそのままホテルに連れて行った。そして、彼女が本当に私を愛しているのか何度も体を重ねて確かめようとした。朝になり、いつものように帰ろうとした彼女に対して私は情けないことに、「帰らないでくれ。」と懇願した。彼女は私の懇願を受け入れてくれた。二人はその日の夜まで一緒にいた。日々の仕事で疲れていたのだろう。彼女は夜まで寝ていた。夜になり目覚めたジュンと談笑しているときに彼女の携帯に着信が鳴った。私が険しい顔をしていたからだろう。彼女はお客さんからの電話だと私に断って電話に出た。話の内容からすると、やはりお客さんのようだ。しかし、彼女は電話を切るとき「パパ愛している。」と受話器の向こうへ伝えた。「どういうことだ!」と狂って責め立てる私に対してジュンは、「パパには経済的にお世話になっていているだけで、身体の関係はないの。」と、誤解を解くかのように私に告げた。果たしてそれは、ホントなのだろうか。そんな感情が私を襲った。捨てられてたまるものか。「ジュンの家に住ませてくれ!」私は彼女に頼みこんだ。彼女はいいよと快く応じてくれた。その言葉を聞き、安堵した私は不覚にもその場で泣き崩れた。ジュンは「荷物を持っておいで。」と自宅の住所を教えてくれた。私は2日後、彼女が教えてくれた住所に向かった。たどり着いた先は、オートロックのマンション。「ジュンは結構いいところに住んでいるなぁ。」と思いながらインターホンを押す。しかし反応は無かった。彼女の仕事が長引いたかなと思い、連絡を取れるのを待とうと思って、付近で待機していた時に着信が鳴った。Aからだ。私の心は今や完全にジュンに傾いてしまっている。ここで別れを告げようと思った。別れを告げる私に対して別れないという彼女。でも私の心はもう彼女のものではない。その場はやり過ごして電話を切った。その直後、「どこにいるの?」とジュンからメッセージが。「君の家の近くにいるよ。何時に帰ってくる?」とジュンの帰りを待つ私。「今日はまだ仕事が終わらないの。ごめんなさい。後日また来てほしい。」とても残念な気持ちで私は帰宅した。ジュンは月曜から金曜の9時から5時まで昼間仕事をしていて、金曜と土曜は店でアルバイトをしていた。私は次の日、Aと完全に別れることを決意した。Aもそれを察していたようだ。公園で泣きながらもAに別れをつげた私はそのまま店に出勤をした。店ではママとジュンの話題となったジュンの住む家の話となり、ママが「そんなところ誰かが助けないと住めないでしょ。」 と一言。私は疑心暗鬼になった。誰かほかに男がいるのではないか。疑う気持ちを隠しながら次の週末を迎えた。

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疑念

その週末は別のキャストの誕生日だった。そのキャストとジュンは仲が良く、二人でポンポンとシャンパンを開けて、指名のお客さんをたくさん呼んだ。ジュンはだいぶ酔っていた。そして営業時間が終わり、私の苦痛の時間が終わった。ジュンはお客さんを見送りに外へ出た。その直後に私は店内で、そのお客さんの忘れ物を見つけたので、それを届けようと外へ出た。そこで見てしまった。驚愕の光景を。ジュンとお客さんの唇と唇が重なっていた。恋人同士がする様に腰と腰が絡み合うキスをしていたのだ。彼女は流し目で私を見た。 私は激しい衝撃を受け、この後の仕事がすべて飛んでしまった。そして私がカウンターに戻った時。店長が近くに来て言った。「よくやるよなぁ皆。あれじゃお客さんも惚れるわけだな。」私の中のジュンだけは違うという神話は脆くも崩れ去ってしまった。この日から私は嫉妬の鬼になった。彼女が仕事中であろうとなんであろうと、メールと電話の嵐。これは崩壊の始まりだった。私はジュンの正体に気づくことになる。

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フィリピンパブとKEE第二話「ジュンと私」

以上が第二話でした!!

ご感想などございましたら、コメントを頂ければ幸いです。

次回、私とジュンの関係はどうなるのか!? ご期待ください!!

では!!

ここで番外編!!

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【番外編 フィリピンパブ トラブル編】

お酒と女性が関わる夜のお店は、お客様とのトラブルはつきものです。酔ったお客様が荒々しい時には、他のお客様やお店の秩序を守るために当然ながら従業員が対応しなければなりません。幸いにも私は殴られたりといったことは、経験していませんが、いくつかのトラブルは経験しました。番外編では、私がフィリピンパブで遭遇したトラブルをいくつかお話しましょう。

①ちゃぶ台返しならぬ!テーブル返し!!

最初に経験したトラブルは、キャストにドリンクを飲ませすぎて当然、料金が高額となり、会計の時にキレたお客様が突然テーブルをひっくり返して暴れるというもの。私がホールにてアイス交換中の時。後方でガシャン!と非常に大きな音がしたので振り向くと、テーブルがひっくり返りグラスやお皿の破片が散乱した光景を目にします。その時の私とキレた当人の距離は実に1m。目が合った瞬間「おい!!この野郎たけーんだよ!!!!」と凄まれます。ダッシュで家へ帰りたくなりました。そうは思えども、蛇に睨まれたカエルの様に、手足が震えて動けなのがそういう時。情けないことにその時の私は、恐怖に震えながら謝ることしかできませんでした。こちらはキチンと料金説明をしているので悪くはありませんけども・・・・でもそんなことは口が裂けても言えなそうな絶体絶命の時に、助け船が!上役の従業員が止めに入り、お店の下に当人たちを連れていき、話し合いで解決してくれました。しかし、かわいいウチのキャスト達の前でこんな醜態を晒すとは情けない。恥ずかしくて辞めたいとEL蔵さんに泣きついたのはここだけの秘密です。

②お会計の時に凄むヤツ!

2回目は、お会計時にごねる人に対応した時です。最初そのお客さんがお店に入ってきた際は、顔は怖いけど優しくてノリがいい人だなぁと思ったのですが、お会計の際に私が伝票を出したときに表情と声色が一変。「アッ払えねぇわ。負けてくれねぇか!!」とVシネマでよく見る形相で見事な恫喝っぷり。図体のデカさは人一倍、肝っ玉はハムスター並みの私は、ここでも家路を急ぎたくなりました。しかし、当店のルールにより、お会計が払えないときには、運転免許証や保険証などの公的な身分証をこちらで預かる必要があったので、震える声で身分証を求めたところ。「ンなモン持ってるわけねーだろ!!!!」と今にも動き出しそうな臨場感溢れる怒声にレベルアップ。先ほども言いましたが、逃げたくも逃げれないのが、本当に怯えているときなので、フリーズすること数秒。Vシネマ「あっカードがあるんじゃん♪♪ワリィこれで頼むわ(^^♪」最初から素直に出してくれぇええ!!数秒を数時間の感覚で味わうことは中々ありませんでした。カードはちゃんと切れましたよ!!

③迷惑防止条例違反!!小便小僧

3回目は、店の営業後のことです。営業後の清掃途中、外に出した看板を店内に片付け忘れた事に気づき、看板を片しに店下へ。なんとそこで驚愕の光景を目にします!!明らかに〇クザな男性2人組がウチの看板を目掛けてオシッコを飛ばしているではないですか!!小学生であれば厳しく注意できるのですが、中学生以上でなおかつ怖そうな人だとちょっと注意できないのが私なんです・・・ 呆然としていたら二人組の片割れと目がってしまいました。悪びれも無く睨みつけてくるではないですか。おいおい・・・悪いのはあなただよね!!その直後、私はおもむろにちかくのコンビニへ歩き出して、20分ほど週刊誌を立ち読みしてました。後でどこ行ってたんだ!と上役の従業員に散々怒られてしまいましたが・・・〇クザは怖くて注意できません!!もちろん看板はその後アルコールで消毒しましたよ!

私が経験した夜のお店でのトラブル集でした。

他にも死ね!!この野郎!!と罵倒されたり、酔ったお客さん同士で喧嘩寸前になる話など、まだまだ遭遇したトラブルはありますが、番外編はこの辺で終わります。

結論をいうと、人間は慣れる生き物なので怖いことも経験です。

気が弱い人でも少しは慣れますよ!

※通常トラブルは、ほとんどないです。ご安心ください!!

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