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日本で暮らすフィリピン人女性のアイリーン

アイリーンは現在44歳のフィリピン人女性です。14歳の娘を持つシングルマザーでもあります。現在、アイリーンは定職についておらず、生活保護を受けて生活しています。　そんな彼女はどのような形で彼女は日本に来たのでしょうか。

フィリピンパブへの出稼ぎ

今から30年前。時代は１９９０年。アイリーン初めての日本。日本はバブル真っ只中であり、空前の好景気に沸いていました。当時14歳の彼女は年齢を偽り、ダンサーという形でフィリピンパブでホステスをするタレントとして来日しました。この時代のフィリピンは今よりもはるかに汚職が蔓延しており、全体的に腐敗しておりました。お金さえあれば、大抵のことはなんでもできました。偽造パスポートの作成も容易な事でした。偽装パスパートを手にしたアイリーンがフィリピンの空港を抜けて降り立った日本の空港は林檎の匂いで溢れていて、フィリピンとは比較にならないほど清潔でした。仕事先のお店は新潟県。彼女の滞在先として用意されていた新潟のアパートには、彼女の他に同じ部屋に10人のフィリピン人がいました。ピンク電話と2段ベッドで敷き詰められていたこの部屋でアイリーンは半年間過ごすことになります。そして新潟へ着いたその日の夜から彼女はホステスとしての仕事を開始しました。その日に来た中年のお客に胸を執拗にまさぐられても言葉もわからない彼女はただ笑うことしかできませんでした。アパートに戻ったアイリーンは大粒の涙をこぼしてフィリピンに帰りたいと悲観にくれます。

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フィリピンとは違う日本での日常

次の日、落ち込んだ気分を晴らそうとアイリーンはアパートの部屋にあるタイムカードを押して外へ出かけます。なぜプライベートな外出にタイムカードを押す必要があるのでしょうか？？その理由は今でもわからないそうです。外へ出かけたアイリーンですが、見るものすべてが別世界で新鮮さと清潔さに満ちていて彼女の心は躍りました。それから2，3日して先輩のフィリピーナに頼まれて彼女はタバコを買いに行きます。アパートの近くにある自動販売機でタバコを買おうと試みた彼女でしたが、買い方がわからず自動販売機の前で立ちすくんでしまいました。そしてタバコを買わずにアパートに戻ってきた彼女に対して先輩のフィリピーナに「何故買ってこなかったの？」と聞かれた彼女は「店員が出てこなかったから。」と答えました。彼女は自動販売機の中に店員がいてタバコを売ってくれると思っていたのです。そんなフィリピンと日本の違いに圧倒されたエピソードであります。アイリーンの日本の滞在も一か月が過ぎて彼女も日本に馴れて来てフラフラとしだした頃、先輩のフィリピーナに外にばかり行くと警察に捕まると注意を受けました。彼女は若く好奇心も旺盛であり先輩の忠告を聞こうとはしませんでした。そんなある日、アイリーンは1週間に1度のフィリピンの家族に仕送りをする為、郵便局に向って歩いていると後ろからカブ『郵便局のバイク』が近寄って来たため、彼女は、いそいで道路脇の排水溝に隠れました。彼女は警察と郵便局の区別がつかず捕まると思い隠れたそうです。後で先輩のフィリピーナに聞いたら郵便局のバイクだとわかり安堵したそうです。何故先輩のフィリピーナが警察に捕まるよと言った理由は、迷子になっても困る上にお客と店外デートをされても困ると思ったからだそうです。アイリーンがアイスコーヒーを知ったのもこの時期です。この頃のフィリピンではホットコーヒーが主流でアイスは一般ではあまり飲まれていませんでした。彼女は缶のコーヒーでアイスを知りました。初めてだらけの日本もあっという間に終わりました。最後のサヨナラパーティではチップだけで３００万を超える金額を受け取りました。先ほども書きましたが、この頃の日本はバブルのピークでしたのでお客さんも今では考えられないくらい羽振りが良かったそうです。彼女のファーストタイマーの給与はたったの350ドル。彼女が帰りの空港でプロモーターに給与はいらないと伝えるのも頷けます。アイリーンは帰国後、その300万を元手にして家を建てることができました。

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辛い過去の話

ジャパンドリームを成し遂げた彼女にも辛い過去の体験がありました。アイリーンは12歳の時に強姦の被害を受けています。彼女はこの酷く苦しく辛い体験をしばらく人に話すことができず、34歳の時にやっとレ〇〇被害の体験を人に話すことができたそうです。彼女を強姦した相手はタレントとして来日するために通っていたスクールのスタッフでした。その頃のフィリピンは法律が機能していたとは言い難い状況であり、ルールがない状態だから自分の家族が相手を殺してしまうと思い、家族には打ち明けれなかったと彼女は振り返っています。そんな時代を象徴するような悲しい彼女の過去の体験でした。

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また、全ての在日フィリピン人が彼女の様な体験をしていたり同じような境遇下にあるわけではありません。※現在のフィリピンと当時のフィリピンでは、環境や状況が大きく異なります。

最後までお読みいただきありがとうございました！！

今回はここまでの内容とさせて頂きます。

次回の記事にもご期待ください！！

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